好きな絵を描くことばかりに夢中になっている学生が社会人になってから上司からのフィードバックの受け入れることが難しいのはなぜでしょうか

学生時代に好きな絵を描くことばかりに熱中していた人が、社会人になって上司からのフィードバックを受け入れにくくなるのには、いくつかの理由が考えられます。

自己評価と外部評価のギャップ


絵を描くことは、自分の内なる世界を表現する個人的な活動です。学生時代は、自分が納得できる作品を作ることが何よりも重要で、評価の基準も「好きかどうか」「満足できるか」といった主観的なものになりがちです。

しかし、仕事では、客観的な評価基準が求められます。上司からのフィードバックは、個人の感性や好みを評価するものではなく、プロジェクトの目標達成、顧客のニーズ、会社の戦略などに基づいています。そのため、自分の価値観で作品を評価してきた人は、この客観的な評価とのギャップに戸惑い、自分の努力を否定されたように感じてしまうことがあります。

過程と結果への意識の違い


絵を描くことは、プロセスそのものを楽しむ側面が強い活動です。どのように描くか、どんな色を選ぶかといった過程に没頭することが喜びにつながります。たとえ完成した作品が理想通りでなくても、その過程が満たされていれば満足感を得られることもあります。

一方、仕事においては、結果が何よりも重視されます。上司からのフィードバックは、より良い結果を出すための改善点や、効率的な方法を指摘するものです。過程を大切にしてきた人にとっては、結果だけを問われることに抵抗を感じたり、自分のスタイルや手法を否定されたように感じたりすることがあります。

完璧主義と柔軟性の欠如


好きな絵を追求する過程で、自分なりの「完璧」を追い求めるあまり、特定の描き方やスタイルに固執してしまうことがあります。これは、自分の作品に対する強いこだわりや自負心につながりますが、同時に柔軟な発想や他者の意見を受け入れることの難しさにもつながりかねません。

仕事では、チームワークや協調性が不可欠です。上司のフィードバックは、チーム全体でより良い成果を出すための調整や方向転換を求めるものでもあります。自分のやり方に固執しすぎると、この協調的なプロセスに参加するのが難しくなり、フィードバックを素直に受け止められなくなることがあります。

これらの要素が複合的に作用し、学生時代に絵を描くことに夢中だった人が、社会に出てから上司のフィードバックを受け入れるのが難しくなる一因となっていると考えられます。

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